2014年3月2日日曜日

エロ本世代のおじさんが日本のポルノを語ってみる

先日、出張先でドイツ人に「どうして日本のポルノはモザイクがかかってるんだ?」と突然尋ねられました。そんなこと言われても「法律でそう決まってるから」としか答えられないのですが。そう説明しても当のドイツ人は「局部だけにモザイクかけることに意味あんの?」と、まるで納得してる様子が無くてちょっと困りました。我々日本人だってモザイクが必要だということについて納得感のある説明なんて多分できないですよね。
結局は「今はネットでモザイクかかってないのとかもいくらでも見れるけど、僕らの思春期にはインターネットなんてなかったのでモザイクかかってないのを見る機会がほとんど無かった。だから、なんだか今でもモザイクかかってる方が見てて落ち着く。」とか、「局部だけでなく、ニュース映像等では死体にモザイクをかけることが慣例になっているし、逮捕・拘束された容疑者の手にかかってる手錠にもモザイクはかかってる。」とか、そんな話でごまかしておきましたが。まぁでも確かに、日本のポルノ事情ってかなり特殊なんじゃないかと思うので、今回はその話について書こうかと思います。

そもそも歴史を紐解くと、江戸時代の春画なんて局部だけが過剰に強調されて描かれていたりするので。局部を見せてはいけないというルールが昔から日本にあったわけでは無いんだろうと思います。むしろそこだけ強調するために春画の大半は顔と性器以外は服で覆われていたそうです。まぁ、江戸時代は性に関してかなり奔放な時代だった(同性愛とかもごくごく普通だった)らしいですけどね。
そこからどういう変遷で現在のモザイク文化に至ったのかはよく分かりませんが、どうも明治時代くらいにできた法律における「わいせつ物」の解釈として「モロはNG」ということになってるみたいです。とまぁ、そこだけ見ると日本ってポルノに厳しい国のように思えるのですが。外国人に言わせると、日本のポルノ事情はビックリすることもあるそうなのです。
一番外国人が驚くのは、コンビニや書店などの普通のお店でポルノが買えることです。これ、日本人としては割と普通のことなのですが、外国人からするとかなり衝撃的なのだそうです。例えばヨーロッパの大半の国ではポルノというのは"sex shop"などといった名前のポルノ専門店でしか扱っておらず、子供がポルノに接することができないように割と徹底的に管理されているのです。
だから何って、思春期にインターネットなんてなかった僕と同じ世代のヨーロッパ人は、少年時代に日本ほどそう簡単にはエロ本は手に入れられない物だったらしいのです。日本だと、一応表向きにはダメということにはなっていたけど、多少恥ずかしい思いをすれば本屋でエロ本を買うことは中高生でもできたのですけどね。

だいぶ脱線して「最近の若い奴は…」というおじさんの口ぶりの話をしますが。僕と同世代の人って、男子ならほぼ全員が恥ずかしい思いをしながらも中高生くらいの頃にエロ本を買った経験があると思うのです。どんなに勉強できる人でも、どんなにスポーツができる人でも、世代共通の通過儀礼としてみんな経験してることなのですね。地元の本屋だと恥ずかしいから隣町の本屋にエロ本買うためだけに遠征に行ったり、布団の下に隠してたエロ本を母親が布団を干したときに見つかったり(だいたい母親は何も言わない)、処分に困った飽きたエロ本を草むらに捨てたりとか、なんだか書いてて懐かしい気分になるのですが。
そんな恥ずかしい思いをする必要もなく、ネットでなんでも見放題で育ったら、そりゃ「最近の若者は失敗を極度に恐れる」とか言われるようになるのもなんだか納得できる気がするのですよ。でもそういうこと言ってると、当の「最近の若者」には陰で「あのオッサン達、中高生の頃にエロ本買ってたんだぜ、ダッセー。」ってたぶん言われてそうな気がするんですよね。

海外(スペイン)在住時に、在住暦の長い日本人の男性から「引越しのために部屋を掃除してたら、昔日本から持ってきたAVが出てきたんだけど、いる?」と聞かれたことがありました。曰く、彼がスペインに住み始めた当時は今ほどネットは発達していなかったので日本に帰国した際には日本食材や薬等と一緒に日本のAVも持ち帰っていたそうです。そりゃぁ、その当時はさぞかし貴重品だったんだろうと思います。おかげで彼にとっては「捨てるのはなんかもったいないから、欲しい日本人がいるなら譲りたい」となって、わざわざ僕に聞いてきたんだと思います。
スペインにだって勿論ポルノはあるし、そういうお店に行けば大人なんだからいくらでも買えたんでしょうが。やっぱりそこは日本の方がいいんでしょうね。そんなに何度も見たことないですけど、洋モノのポルノって女優さんが目を開けてニコニコ笑ってたりするので、なんだか見ててゲンナリするので僕もちょっと苦手です。なんていうかな、「恥」の概念が欠けているのですよ。やっぱり日本は恥の文化だからでしょうか。

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